一般社団法人全日本シビエ協会設立の動機
野生鳥獣による被害は、今や農林水産業被害のみならず自動車事故や列車事故あるいは新種のウイルス被害の拡大の危険性など私たちのすぐ身の回りにおいて既に多くの摩擦を生じております。この様な摩擦は、野生鳥獣の生息域の拡大あるいは農漁村地域における過疎化や高齢化による耕作放棄地の増加や手入れの行き届かない森林の増加など、社会情勢の変化や自然環境の変化などにより中山間地を中心に全国的な問題となっています。これまで多方面において多くの関係者がこの問題に取り組んできましたが、いまだ解決の道筋は見えておりません。
私たちは野生鳥獣全般を日本の国土が育んだ貴重な地域資源と位置づけ、その地域資源を余すことなく有効活用するモデルを構築し、その過程において『自然と野生鳥獣と人間との共生』を目指し、この貴重な資源が子々孫々にまで受け継がれ、新たな地域活性化の一助とならんことを願い、一般社団法人全日本ジビエ協会の設立を呼びかけるものであります。
私たちは、ご賛同いただける方々と共に強力なモデル構築を図り、日本の国土が育んだ貴重な資源を産業化させるために、運送業界や建築業界・資材業界・流通業界・輸出入業界・飲食業界・飼料・肥料業界など多方面に亘る関係機関及び団体・個人の参加を募り、公益・私益を乗り越えた大局的な見地でこの構想に取り組んでまいりたいと思います。日本全国における野生鳥獣産業の育成に資するためにも皆様方のご高配を賜りますようお願い申し上げます。
理事 永野 和明